カソチスト 
 vol.96
 2005/2/25

 過疎、過疎地という言葉から、一般的にマイナスというイメージがあります。でも、その過疎地が今、カッコイイのです。でも過疎地と田舎とを混同しないでください。全く違うものですから。田舎は、小さいとはいえ昔から人が比較的多く住んでいます。濃密な人間関係が支配し、他所から来た人間にはなかなか入り込めない社会が田舎なのです。
 それに比較して過疎地は田舎と違い、援助なしには人口はどんどん流出して、じりじりと高齢化率は上昇していきます。若者は過疎地には住まず、まず仕事のある都会や地域を目指します。そして、稼げるところに出かけていくから、どんどん人口減少に拍車がかかるのが過疎地です。
 人口が減っているからといって、全く人が住んでいない場所ではなく、かつて、人が住んだことのある場所なのです。つまり、人間が住めるのです。今、この過疎地に、物好きな大好き人間が出没するようになり、定住するようにもなっています。もちろん、人の住まないところが好きな伴侶が一緒でなければ過疎地には簡単には住めません。単身で住むには、過疎地は不適です。敷地は、最低1000坪。渋谷や新宿ならば、1坪以下の値段なのです。芸能人と同じように周囲に邪魔されない、最低の広さ1000坪以上も保障されます。これなら、好きな牛や豚などのペットも周囲に気兼ねすることなく飼えます。

 都会に仕事場を持ち、都会から離れて生活する。今、そんな生き方が可能です。これも高度・高速情報化社会に生きているからです。かつて離農で悲しんだ過疎地が輝きだした瞬間かも知れません。でも、一つだけ注意してほしいことがあります。過疎地で快適に生きていると、すぐに人が寄ってきて、過疎地でなくなることがあるので要注意です。
 それに過疎地に移り、やってはならないことがあります。真剣に専業で農業をしようとか、庭木に果樹を植えようとか、自然に手を加えることです。これは、想像以上に大変なエネルギーを必要とします。自然と戯れるのに労力を使い過ぎると、都会で働きたくなくなるからです。自然と戯れたいのなら、春・夏・秋と間断なく山菜の季節がやって来ます。家族で食べる程度なら、ふんだんに自然の恵みがありますので、他の動物たちが困らない程度に収穫することです。

 カソチストとは・・・? 過疎地域で、従来の過疎というイメージをぶっ飛ばせとばかりにパワフルな日々を送る人たちのことです。大都会では望めぬ広い空間で我侭な人生を送る人たちでもあります。
 北海道稚内市声問のある漁師は、海を見ないで、一日中ずーっと空ばかりを見ています。クッチャロ湖にコハクチョウを呼んだ営林署職員がいると聞いて、自分にもできるんではないかと真剣に考えた変人でもあります。大沼に餌をまいたり、発泡スチロールで鳥の型を作ったり、ハクチョウの鳴声を録音してスピーカーを空に向けたりしていました。皆からはアホだ馬鹿だと言われながらも止めませんでした。でも、とうとうハクチョウが降りてきたんんですよ、一万何千羽も。この情熱って、何かいいものですねえ。