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◆ 春になると動物は冷たい土の中から出てきます。生き物にとってもこれが始まりなのかも知れません。冬の間に土の中で成長した草木は春になると雪解けに伴って地上に顔を出します。動物たちも春を待っているのでしょうか。そして日本人は春になると桜の木の下で花を見ます。春は桜の季節です。
日本人の好きな花は?と言うと「桜」と答える人は多く、私も桜が好きです。春は出逢いや別れの季節ですが、入学、卒業と、それぞれのシーンにはいつも桜が咲いているものです。春は出会いと別れの季節と言うけれど、世界の人たち皆がそう思うのではないようです。西洋では秋がその季節ですし、中国では冬がそうらしいと聞きます。でも日本では一年の区切りは春です。卒業・入学・入社・退職とそういう行事が目白押しです。日本人にとって春は特別な季節なのです。それは平安時代から変わりません。古典で花というと、それは桜を表します。花という一般名詞で代用できるほど桜は重要なものであったのでしょう。しかし彼らの見ていた桜は今の桜とは違い、ソメイヨシノのようにたくさんの花をつけない質素なものだったといいます。
◆ 日本人がなぜ桜が好きなのだろうと考えると、やはり多く出る答えは「花が散ってしまうから」と思ってしまうようです。あんなに美しく咲いた桜は、ひと風吹けば,さっと散ってしまいます。桜の花はその美しさの頂点で惜しげもなく散ってしまうのです。桜の花の美しさはその潔さにあるのではないでしょうか。
でも私には桜のように潔くはなれません。やっぱり散っていく花が名残惜しいものです。いつまでもその花を愛でていたいと思ってしまいます。どんなに美しいものでも毎日見ていたらきっと飽きてしまうだろうと思います。やっぱり桜は散るから美しいというのは真実なのでしょう。
この季節になるといつも思い出すのが、新宿で見た桜並木です。平成4年の4月3日、モンゴルから緊急輸送されて帰国しました。そのまま東京女子医大のICUに入院。しばらくして歩けるようになり、病棟から外を眺めるときれいな桜吹雪。それ以降、桜といえば東京女子医大前の桜を思い出してしまいます。今年もきれいに咲いてくれたのだろうか。
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