|
◆ 秋風が吹き始めると、人は何故か切なく、人恋しくなるものです。夏の陽気にそれまで何となく慌ただしかった町の様子も、次第に落ち着いた雰囲気が出てくるものです。町の色合いもそれまでの明るい色調から徐々にモノトーンカラーに変化していきます。但し、山では逆に紅葉が始まり鮮やかな色彩になります。秋祭りを境に地域の人たちはライフスタイル和大きく変化させていきます。秋の豊穣と、これから迎える冬に向けて、冬支度をを意識した生活へと変わります。
◆ 朝8時に如布神社に氏子が集まり、各地区の役割に従って、宮掃除、幟立て、山車担当というように細かな役割分担が決まっています。うちの隣保は宮掃除ということで、午前中に準備を終え、宵宮を迎えます。夜になると如布地区の山車だけではなく、近隣の山車も我が家に来てくれますので、「お花」を準備して待っていなければなりません。Iターンした我が家にとっては分からないことばかりですが、わざわざ我が家の前に山車を止めて子どもたちが太鼓などを披露してくれる姿に「お花」を出さないわけにはいきません。少子化の現在、そんな子どもたちの気持ちが嬉しいものです。
◆ 聞こえてくる太鼓の響きに子どもたちはすっかり秋祭りモードへと変わり、Iターンした親たちは太鼓の音に鈍感になっている親子の差を感じます。生まれたところのお祭りが一番懐かしいのは我々だけではないと思いますが、、息子たちの祭りに対する思いを知るとこの町に来て良かったと思います。
長男は是非帰りたいと願っていたようでしたが、大学の授業の関係で秋祭りに参加することはできませんでした。昨年はALTのアダムと朝まで飲みつぶれていた姿が印象的でした。親の私たちには分からないことでも、子どもたちは祭りの囃子や太鼓の音を聞いただけで体が勝手に動くといいます。親には親なりの祭りがありますが、地域で育てられた我が家の息子たちにとって、祭りのリズムが自然に感じられることが親として嬉しいものです。今年で9年目を迎える但東での生活になりましたが、残念ながら私たち親にとっての祭りは子ども時代に刻まれた祭りしかありません。外国のことわざに「5歳に刻まれた記憶は石の上に刻まれた記憶、大人の記憶は水の上に刻まれた記憶」、こんなことわざがあるように子ども時代に刻まれた素敵な記憶はいつまでも輝き続けるものです。
|