天高く、馬肥ゆる秋 
 vol.78
 2003/9/22

 「天高く、馬肥ゆる秋」。秋のすがすがしさを表現する言葉ですが、もともとは中国の古典からきたものです。中国の漢代、秋になると北方の遊牧民の馬が肥え、その馬に乗った遊牧民たちが、収穫されたばかりの農作物を狙って農耕地帯に侵入してくるため、警戒の意味だったそうです。時代が経つと意味も大分変わってくるものです。
中国では秋の爽やかな天気を表現する言葉として「秋高気爽快」「北京秋天」などがあります。でもねどうして秋の空は澄み渡り、高く見えるのでしょうか。秋は日が短くなり、地面が冷えていることから大気の状態は比較的安定し、風の乱れや、チリが少ないためだそうです。チリや水蒸気が少ないと、太陽光でも波長が短く、青や紫が分子にあたり散乱し、空は青くなるのです。

 家の前の水田もすっかり稲刈りが終わりましたが、冷夏の影響なのか例年より遅かったようです。いつもならば9月に入ると、早いところでは稲刈りが始まるのに、今年は稲穂のほとんどが直立したままでした。まるで日本の政治家のように、稲穂が直立したまま頭を垂れる様子はありません。冷夏の影響なのか、博物館周辺でもコスモスの花は既に咲き終え、ススキが見られます。国道沿いに見られた彼岸花も今年ばかりは少ないように思います。山々の紅葉は、さすがに見られませんが十分に秋を感じることはできました。
 秋が深まり、朝晩は肌寒いくらいですし、季節の移り変わりは早いもので、もうじき秋祭りの笛の音が聞こえてきます。子どもたちも27日から笛や神楽の練習が始まり、本格的な秋本番を迎えるようになります。町を離れている子どもたちも是非帰ってきてほしいと思います。静かな秋も結構ですが、にぎやかな子どもたちの声が飛び交う光景はなお結構です。

 秋の夜は本当に長く感じます。つるべ落としに日が暮れて、すがすがしい風が吹き渡る頃になると、心もしんと静まって夜の長さに思いをはせるようになります。そこで、もう一本缶ビールを飲むことにしよう。秋の夜長に、家族のことを考えながら、缶ビールを飲もう。思うことは幾らでもあるし、まだ時間も早いし、夜はまだまだ続きます。缶ビールをやめて、今夜はCHOYAの「さらりとした梅酒」にでもしようかと、秋の夜長に思案している最中です。