◆ 兵庫県立こどもの館が、県内の小学5年生、中学2年生、その保護者を対象としたアンケート結果があります。その6割の子どもたちが将来、親のようになりたくないと答えています。一方、保護者も同様に自分は子どもの生き方のモデルになっていないと6割の保護者が答えているのです。つまらなそうな毎日を送る親から、人生の素晴らしさは伝わりません。子どもの成長をそっと見守る親を理想像にするのもいいのですが、親が生きることの楽しさを具体的に示すことが必要だと指摘しています。親が真剣に生きる姿は、それだけで子どもに大人を尊敬する心を育て、生き方のモデルを示すことになります。子どもを前向きな気持ちにさせるためには、懸命に生きる姿を、親が身をもって示すことが大切なのでしょう。
若者の無軌道振りが連日話題になり、大人たちは近頃の若者はと愚痴ります。でも、本当は近頃の若者がおかしいだけではなく、大人たちの行動を投影しているようにも思えるのです。汚職、偽装、のぞきに痴漢、経営感覚のない経営者、国益を無視する外務省や政治家。若者のふり見て我がふり直せ。
◆ かつて大学さえ出ていれば一生安泰という時代もありましたが、最近では一流大学を卒業してもいい企業に就職できるとは限りませんし、企業に就職さえできない可能性さえあります。厳しい国際競争を勝ち抜く社会では、大学のブランドより本人のやる気や能力のほうが大事であることが分かってきたからでしょう。
自分の老後も顧みずに、子どものためにお金の算段をする親。その親のスネを、いつまでもかじり続けようとする日本の子どもたち。そんな二人三脚では、明るい未来をつかむどころか、共倒れになります。親も子も、それをきちんと自覚したほうがいい時代です。大人になるということはどういうことか、ある大学の先生は経済的自立、精神的自立、社会の中で責任と役割を持つ、ひとりで生活ができることだと話しています。
長引く景気低迷やリストラ、倒産、失業が増えています。会社人間だった男性も、そんな生き方に疑問を持ち始めています。男らしさより、自分らしさが求められている時代です。今の父親が弱く、さみしく、存在感が希薄なのは、残念ながら事実のようです。
◆ また、フリーターと呼ばれる人たちも増えています。フリーターになる理由は、目指している夢があって時間が欲しいとか、組織に縛られるのが嫌だとか、本当は就職試験に落ちたからだとか、人それぞれに違います。豊かな社会の恩恵を受けた世代にとって、働くという日々の糧を得る手段という考え方はもはや通用しません。定職を持たないフリーターそのものが、現代のライフスタイルの一部とみる人たちも増えています。かつて頑張って働けば豊かな生活ができる時代もありました。そして一億総中流の時代を迎え、バブルが到来。終身雇用の崩壊、年功序列の横並びから能力主義や年俸制の個人競争社会へ突入。大手企業の経営破綻、リストラ、失業。安定していた生活が企業とともに一変し、みんな中流だと思っていたのに・・・現実は違っていました。
会社や社会への不信から、今多くの若者たちが、学校を卒業しても進学も就職しないフリーターになっていきます。フリーターなる言葉が出てきたのも平成の時代になってからだったと思います。正確な数字は分かりませんが、一説には300万人以上のフリーターがいるそうです。何をやりたいのか分からない、多くのフリーターがこのように答えています。漠然とした閉塞感や無力感。社会保障をも揺るがしかねないフリーター問題が指摘され、次世代の労働観が大きく揺らいでいます。
◆ 若者が大なり小なりフリーターでそこそこ暮らせるのは、親の援助があってのことです。親が子どもの才能を信じているのならば、援助は不要なはずです。能力さえあれば、苦労はむしろ大事な財産です。援助する親も、求める子どもたちも自分の可能性への不信を象徴しているようにも思えてしまうのです。つまり、挫折感を味わいたくないという悲しい見栄のようにも思えます。今の世の中、もはや安定したレールなど、どこにも存在しないのですから・・・そんなものを捨てて新しい道を歩き出すことが大切だと思います。
能力主義と言いながらも、かつては企業を中心とした人材育成が前提だったはずなのに、不況になって終身雇用が揺らぎ始めたときから、企業は掌を返すように社員の自己責任を言い出すようになりました。現実は企業から離れて個人が職業的教育を受ける場が十分に確保されていない社会ではサラリーマンが気の毒です。でも、一つの組織内でしか通用しないガリガリの企業人にはなりたくないものです。いつか自分への投資が意味を持つ日が必ずやって来ると信じてほしいものです。
かつて企業は均質なレベルの社員像を望み、社員は社風に沿うべき努力を続けてきました。まさしく金太郎飴そのものです。でも、バブルの時代はそれでも良かったのですが、知恵と発想で新しい仕事を生み出す21世紀型では全く通用しなくなりました。あなたの周囲にもまだ古いタイプの社員はおりませんか?
|