シニア世代の個人ホームページ 
 vol.52  2002/10/2

 9月9日でホームページを開設してから丸三年を経過しました。開設当時は本当にお粗末なもので、今思うと赤面してしまうような内容でした。その時はそれなりに必死になって作っていたのですが、ある程度の時間を置いて見ると、あれもおかしいこれも変だというものばかり。でも、それなりにアクセスしてくれる人たちがいることや、更新が滞ると心配してメールをくれる人、さまざまな形でさまざまな人たちと関わり合いを持つきっかけになったことは事実です。
 社会は時代の必要に迫られて変わります。新しいメディアの世界に対して、いつもその世界に関心のある人たちばかりで語られることが多い。でも、パソコンやインターネットは、国の政策もあり、パソコン教室が格安で受講できるようになった。かつての森内閣の目玉事業だったIT革命の一環で、学校や公民館などのパソコンを使い、全国でIT講習会が実施されてきた。それに伴い、個性豊かなホームページ作りに励む高齢者がどんどん増えています。共通の目的を持った同士で、ネット愛好会を作ってみたり、人の和がどんどん広がりを見せているようです。どんな山奥に暮らしていても、現代社会では完全に社会から隔絶して生きていくことは不可能です。定年を迎え、念願かなって田舎暮らしを実現。この機に、田舎での暮らしを綴ったHPを作り、昔の友人たちや子供たちとネット上での交流をしているという。お互いのHPを媒体として、まるで近所に住んでいるような感覚に、ついつい一人暮らしの寂しさも忘れてしまったという。

 年配の知人が昨年退職し、新しい世界が開けるのではないかとインターネットを始めました。他人のホームページを見て回るうちに自分でもホームページを立ち上げたいと本とソフトを買ってきて、数ヶ月がかりで日記風のホームページを作りました。最初は失敗の連続で、インターネットどころか自分の名前さえ入力できませんでした。しかし、「シニアにでも世界に情報発信できる」の一念で、解説書片手に奮闘。今では一日に50件ちかいアクセスがあり、インターネットを介して社会に繋がっているという実感があるといいます。退職すると隣近所だけのお付き合いになり、社会と隔絶している感じになってしまいがちですが、ホームページで自分の主張を出す機会も増え、充実感を得ている毎日だといいます。開設当初はひどく見にくいホームページでしたが、徐々に改良し、定期的な更新も欠かさず、最近ではデジカメも購入しての見て歩きなどを充実しています。そして、一番大きく変わったこととして、世代を超えた付き合いが増えたことだといいいます。孫たちは大きくなると電話に出てくれません。でもメールなら話がはずむのです。パソコンが分からなくても、知っている仲間に聞けば何とかなります。分からないもの同士、気持ちが分かり合えて話に花が咲くものです。そして何より、子供や孫との共通の話題ができるのもうれしいものです。世はパソコン全盛の時代ですが、これとて万能ではありません。それを過大に評価したり、人が振り回されては困ります。あくまで人間を豊かにする機械に過ぎないことを、忘れないでほしいと付け加えていました。

 田舎は過疎と高齢化で、お年寄りを支える昔ながらの共同体が色あせつつある現代社会になっています。広い面積に僅か十数戸の集落が点在し、交通手段は車に頼る過疎の町、お年寄りを頻繁に行事に行くのは難しい。次善の策として、距離に関係ないインターネットの利用が現実味をおびてきています。ネットでの井戸端会議も可能ですし、お年寄りと近所の人がネットで安否や連絡を取り合うことも可能です。新しい地域コミュニケーションの再構築・・・。やがて来る超高齢化社会を迎える日本の在り方を探る鍵がこの辺に隠されている気がします。これからの時代は機械と人の心とのバランスを取ることが大切だと思います。そして、社会が人と向き合って話をしたり、他人に気配りしたりするといった温かい人間関係や感謝の心を忘れてはなりません。
 情報化が進む今日、インターネットも光の部分もあれば影の部分も併せ持っています。でも、必要な情報を発信して共有することにより、今まで情報社会の弱者だと呼ばれていたシニア世代も新たな意外な力を得られる気がします。真の狙いはコミュニケーションの場つくりであり、誰もが情報発信者になれる時代を反映しています。ボケている暇はありません。