七ツ森 
 vol.50  2002/9/25

 今回は「七つ森通信」を作る際に名前を借用した本家(?)の「七ツ森」を紹介します。仙台市の北部に位置している宮城県黒川郡大和町にあり、平野の中に忽然と人工的な山が見えてきます。仙台からですと国道4号線を北上すると道路左側にピラミット型の七つの山並みが見えます。通称、七ツ森とよばれているところです。最高峰の笹倉山が506mと低く、一つひとつは何の変哲もない小さな山なのですが七ツ揃った山並みになると景観は一変します。
 七ツ森とは、笹倉山、松倉山、撫倉山、大倉山、蜂倉山、鎌倉山、遂倉山を総称したもので、古くから巨人が一峰ずつ作ったという民話が伝えられています。国道4号線から美しく並んだ姿が見られます。遊歩道は、宮床の信楽寺跡から伝説の山々の間をぬい、南川ダム七ツ森湖までの約6キロのコース。途中には360度の大パノラマが楽しめる撫倉山頂上に展望台などもあり、心ゆくまで大自然の景観を堪能できます。また、七ツ森の各頂上に祀られている薬師如来石像を一日でお参りする「七薬師掛け」が地元に昔から受け継がれており、無病息災が叶うと言い伝えられています。

◆  昔むかし、朝比奈三郎という力持ちの大男が住んでいました。あるとき、弓の稽古をするため、的にする山を作ることにしました。そこで大きなタンガラ(土を運ぶための背負いかご)をつくり、黒川のほうまでやってきたそうな・・・。そして、鹿島台あたりからタンガラいっぱいに土をいれ、七回ほど土を運んで的山をつくりました。途中、一回づつ休んだときにタンガラから土がこぼれ落ち、その土が固まって七つの山ができたとさ・・・。それが今の「七ツ森」で、この時土を掘ったところが「品井沼」、三郎が歩いた足跡が「吉田川」になったと民話は伝えています。その時の的になった山が矢喰山(薬莱山)で、一番あとにタンガラの残りでできた山がたんがら森です。

 このように、七ツ森は東北を代表する景勝のひとつとして、地域の人々の信仰の的として古くから愛されてきた山です。現在でも七ツ森各山頂に祀られている薬師像は、1762年(宝暦12年)5月8日、宮床館主家臣八重巻影住・影長親子が薬師像を背負って安置したと伝えられ、毎年その日を薬師如来大祭が開かれています。七ツ森への山岳信仰はさらにさかのぼり、七ツ森を本願功徳の霊山として、若者たちはそれぞれの願いをこめて、約20キロに及ぶ険しい山道を一日で踏破し、五穀豊穣・無病息災・家内完全、あるいは良縁が授かるように祈願したと云われています。七ツ森は古い火山の名残りである火山岩頸の山々が七つ(正確には8つなのですが・・・)並んでいるため、親しみを込めてこう呼ばれてきました。