中年サラリーマンよ、大志を抱け! 
 vol.41  2002/7/1

 人生80年時代の到来は一大革命にもたとえられます。特に中年サラリーマンにとっては、生き方も価値観も根っこからくつがえった大事件だと思います。高齢化社会の荒波を受けた中年サラリーマン、定年まで頑張ってきたら、妻から第二の人生はあなた一人で頑張ってと離縁状をたたき付けられる昨今。昔は美人薄命とか才子多病とかいっていましたが、ガッツも体力も人一倍強くなった女性が確実に増えています。ある女性評論家が、「人生のサイズは変わった。人生80年時代に向けて女性は生き方のモデルチェンジをしなければならない」と檄を飛ばしていました。
 本当にそうだと思います。人生50年だったら、仕事の現役のうちや子育ての途中、あるいは子どもが未成年のうちに人生を終えなければならなかったものが、今は飴のように長い老後が広がっているのです。職業人としての女性をみても、出産や育児でいったん休んだ職場に復帰することも、中年から志を立てて何かのキャリアを身に付けることも十分可能なはずです。
 充実した人生とは何か、改めて問いかけ、実践しなくてはならない時代がやってきたのです。親と子、夫と妻、家庭と職場、生涯教育、ありとあらゆるモノサシが洗い直される今、私は思います。中年よ、大志を抱け、と。

 昔、サラリーマンは気楽な稼業という文句がはやりました。果たして今もサラリーマンは気楽な稼業などと呼べる時代なのでしょうか。バブル全盛時代、毎日会社へ行きさえすれば良かった時代もありました。
 それにしても、何故サラリーマンは連日連夜、赤提灯でクダを巻くのか? 翌日の疲労は分かっていながら、マージャンで夜更かしをするのだろうか。こんなことを考えていると、サラリーマンの活力の源泉は、「恨み辛み」(良い言葉では切磋琢磨とも呼ぶ)にあるのではないだろうか。日本の会社は課を小隊として、部を一部隊として活動しています。課・部長は数人あるいは数十人の頭脳を集めて、その組織としてベストの行動を行うのが建前です。
 その通りに運ぶときは全員が大いに勉強し、大いに働けばいいのです。しかし、現実はなかなかこうはいきません。集まった頭脳は人間だから、相殺の働きもしてしまうものです。ここで「恨み辛み」が生じてしまい、赤提灯でクダを巻く回数が増えてしまうのでしょう。そして、サラリーマンは人の心が分かるようになり、自己を殺して組織を生かすことを学んで、人間としても成長していくのかも・・・。
 サラリーマンにとって、いい上役と悪い上役とどちらが良いか一概に言えません。大まかに言えば、大きく育つには前者がよく、根を張るためには後者がいいようです。会社は大きな、そして根を張った人材が必要だから、この両者が必要になってくるのです。
 サラリーマンは生活条件にも恵まれていません。逃れようのない酷税、今や国際語にもなった単身赴任。彼らが赤提灯でクダを巻くのは、「わが社」の将来を案ずるがためであり、日本の明日を憂うるためであるからです。「中年サラリーマンよ、今日も赤提灯でウサを晴らし、明日もまた端然と出勤しよう」ではないか。