子供たちによる「みんなの宝物」 
 vol.33  2001/12/8

 昨年12月1日、近くの小学校で6年生が「いきいきクラブ」と称して地元の魅力について調べた結果を発表してくれました。テーマは「人々が訪れる町作り」「便利さから考えた町作り」「「高齢化社会から考えた町作り」「自然を生かした町作り」の4テーマについて発表しました。パソコンを駆使しての説明や子供たちだけの寸劇を取り入れて面白く楽しみながら説明を聞くことができました。人に伝えるというプレゼンテーションの技術もさることながら、問題を掘り下げた視点には所々で感心させられました。これらの学習発表は、まさしく子供たちの視点で見た町の評価システムであり、考えさせられる機会でもありました。子供たち自身が町の現状を的確に把握し、さらに町の将来像を描いていくという作業を通し、町が抱えているマイナスとプラス面が如実に浮き彫りされていく過程がユニークでした。社会の尺度を持った大人たちでは考えない手法は、聞いていても痛快な思いさえしました。

 町民ホール以外にも新しい文化ホールや図書館がほしいという希望。そこには町立図書館があっても子供たちだけで通えない交通の問題があります。都会にあるもの全てが但東にもほしい、24時間営業のコンビニ、ほかほか弁当屋。両親が隣町まで働きに行っているので、夜遅くなっても売っているほかほか弁当屋があれば、帰宅が遅くなっても便利。いつも働いてくれる親たちに楽がさせられる。荒唐無稽とも思える考えの背景には家庭の実情も浮き彫りにされていく現状が見え隠れしています。

 いずれにしても自分たちの暮らしている地域の独自性や固有性を発見することに大きな意味があります。他の地域にはない貴重なもの、または固有の価値を再発見することによって、これまでとは違ったものを再発見したり、地域を考えるきっかけになったと思います。各テーマを選定し、さらにそれを掘り下げていく過程も知ることができ、それをどのように理解してもらおうかという苦心した様子もうかがうことができました。相手に的確に伝えるというプレゼンテーションの技術も、寸劇を披露して誰にでも分かりやすく理解しやすい工夫が随所に見られました。チョット気になった点として、大人と同様に都会と田舎の図式で物事を考える風潮があり、親の責任として魅力ある地域を語れなかったことを反省しています。それでも、違う価値観を学ぶことによって、改めて自分たちの暮らしている地域を見直すことになり、田舎の良さや都会とは違うものを確めることができたように思う。全員参加で真剣に将来の町を考える機会になった発表会は、家庭に戻ってからも親子で話し合う共通の話題になったことでしょう。

 一般的に政策評価または行政評価というものは、達成された事後評価が普通です。しかし、本当は目標が何であったのかによって、評価の視点も大きく変わってしまうものです。つまり、事前評価、事業実施、事後評価の過程が本当は大切なことです。現状では行政を監視する経営の効率性のみを評価することに主眼が置かれている気がします。ここで少しおかしいと気付いてほしいのは、意思決定の主体は行政ではなく、納税者である一般市民であることを忘れてはなりません。12月から来年度予算における編成時期ですが、一部の担当者のみで意思決定されてはいないでしょうか。また、ややっこしい問題として、文化に対する評価システムがきちんと確立されていないせいか、文化そのものが多様で見えにくいとよく言われます。そして、行政は一般市民へ明確に分かりやすく伝える努力をしたでしょうか。意見発表を聞きながら、そんなことを一緒に考えていました。

 今後、否応なしに進展していく平成の大合併。より細かな地域住民サービスを考え場合、より身近にコンパクトにまとまった地域が望まれるのは当たり前のことです。しかし、地域社会がより歳出の少ない、より多様な対応ができて住民満足度の高いサービスを求めていく限り、改善の必要性は決してなくならないことも知ってほしいものです。そして、これからも夢を持ち、学ぶ喜びを求めて地域に学び、子供たちと共に歩んでいきたいと思います。出席していた父兄から、多くの役場職員にも真摯に聞かせたかったと厳しい意見もありました。きっと将来の町を担う人材がこの中から生まれていくことでしょう。最後は自分たちの思いを詩「みんなの宝物」に託して終了しました。

            「みんなの宝物」
1.地図で見れば小さな町 夢がいっぱいつまっている ぼくたちの宝物
2.地図で見れば小さな町 緑あふれるこの町は ぼくたちの宝物
3.地図で見れば小さな町 みんなの努力がつまっている ぼくたちの宝物
4.地図で見れば小さな町 笑顔あふれるこの町は ぼくたちの宝物
5.地図で見れば小さな町 少し不便はあるけれど 輝く未来が待っている ぼくたちの宝物