◆ 秋の深まりを告げるような肌寒さを感じさせる但馬地方ですが、この季節になると但馬の風物詩ともいえる雲海が見事です。朝早く目覚めると外は一面の霧です。しばらくすると、徐々にその霧が流れ始め、但東の山並が見えてきます。山里ならではの絶景です。但東の雲海スポットとしては高龍寺や郷路岳が有名です。この霧や雲海のメカニズムは晴天に伴う放射冷却現象で、地上の熱が奪われるためだそうです。一般的には未明から早朝にかけて次第に発達するようで、今日も今秋一番の冷え込みで見事な雲海に包まれた但東でした。
◆ また、秋の味覚といえばマツタケです。東北生まれの私たち家族にはそれほど馴染みがある味覚ではありませんでした。東北にもマツタケはあるのでしょうが、関西や西日本のように当り前のように店頭に並ぶことはそう多くありません。まして、土瓶蒸し用の器が至るところで売っている光景をみると、やはり東日本とは明かな違いを覚えます。それだけ一般的にマツタケを食する人たちが関西や西日本には多いのでしょうか。確かにマツタケの産地で有名な丹波篠山も近くに位置していますし、近年では外国産のマツタケも安価で店頭に並ぶことも多くなりました。篠山の友人がマツタケを出荷しており、キロ6〜7万円程度と話しておりました。今年は豊作ですが、気候の関係で昨年より若干遅れて出荷しているそうです。豊作といってもこれは京都府やそれに近い場所だけで、今年の雨不足や残暑の関係で岩手県では例年の1/10程度、山が乾いて、9月に暑さが戻ったのが痛いと、産地の口はかなり重たいようです。
◆ この辺のマツタケは形も傘を開いたものが美味しく、量的にもボリュームがあって焼いてもいいし、すき焼きに入れてもいいし、マツタケ三昧を味わうには格好のものだそうです。最近の新聞紙上で世界各国から日本にマツタケが集まると書かれていましたが、中国や韓国・北朝鮮は知っていましたが、それ以外の国からとしてカナダ・アメリカ・メキシコ・ロシア・トルコ・ブータン・モロッコ、そしてニュージランドに近いトケラウ諸島からも輸入されているのです。まさに世界中のマツタケを日本人の胃袋に入れている様子が分かります。これを日本人一人当たりで計算すると、マツタケ御飯一杯分(30グラム)にしかならず、やはり貴重品には違いありません。今年は輸入物も品薄状態で、昨年よりも高値が続いているようです。今や国産のマツタケは全体シェアの5%しかなく、貴重品中の貴重品になりつつあるようです。それもそのはずで、人口栽培が困難で、かつ天気まかせとあっては、当り前かも知れません。近年はマツタケ山も整備されつつあるようですが、それでもデリケートなマツタケだけに、今後も高嶺の花は続きそうです。
◆ 今年は町内の方から夫婦で呼んでいただき、マツタケ三昧の一日でした。焼きマツタケ、マツタケを贅沢にいれたハモ鍋、マツタケ御飯というように、原形をとどめているマツタケを拝みながら食しました。大きさ、香り、鮮度、歯ごたえといい、三拍子も四拍子も揃った地元産のマツタケでした。また、地元でもマツタケ採りの名人と呼ばれる方から2回も頂戴し、天麩羅にしたり、マツタケ御飯にしたりとこんな年は初めての経験です。いただいた方たちに感謝するのは当然として、今年も恵みの秋を迎えられたことにも感謝する日々です。
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