我が家の駄犬「ゴン」 
 vol.29  2001/9/26

 我が家に駄犬「ゴン」がやって来て、ちょうど丸3年を迎えました。近くの町でワンワンフェスティバルが開催され、その中の一匹をいただいたものです。子犬の中でも人気が高く、希望者同士でジャンケンをして飼主が決まったというイワク付きなのです。それが、最近では顔を見るたびに、「散歩に連れていけ!」「腹へったぞ!」「早起きしろ!」などと犬語で吠えてくるのです。犬には犬の吠える理由がちゃんとあるのだろうが、日本語で吠えないものだから言語不明瞭意味不明でただやかましいだけです。飼主は不感症になるのか、近所の人たちはきっと迷惑しているだろうと思うこの頃です。

 妻は大の犬嫌いです。ゴンを飼うときにも絶対に世話をしないと約束していました。我が家にやって来た3日目、急にぐったりとなりどうも様子がおかしい。台風が直撃している中、息子の懇願で動物病院に直行。即、入院決定。半月ほど入院して何とか退院できたが、一時はかなり危ない状態だったという。その後、また半月ほどして左目の眼球がおかしいということで、またまた緊急入院。その後、たまたま去勢のために入院。わずか数ヶ月の間に3回も入院するはめになり、犬ながらかわいそうでした。大の犬嫌いである妻が「私がお前の命の恩人だぞ」と毎日のようにつぶやきながら言い聞かせている姿が、何故か滑稽です。また、「ゴン」には犬小屋が2棟もあります。1棟はプラスチック製の安価な犬舎で、もう1棟は通信販売で買ったログ犬舎。写真では見えませんが、プラスチック製の犬小屋の側面に大きな穴が開いています。あまりにもうるさく吠えるので妻がホウキで叩いたら、側面が割れてしまいました。横殴りの雨風のときには、ゴンはドブネズミ状態でふるえている始末。今では時々の天候や気温によって、住まいを移動している姿がいじらしく思えます。

 「ゴン」は由緒正しい雑種犬です。どこから見ても犬なのです。ドッグフードよりご飯のほうが好きという、農協さんから感謝状をもらってもおかしくない純血日本犬です。鰹節をかけた「ネコ飯」も文句もいわずに食べます。人間でもそうですが、食いっぷりのいいやつは見ていて気持がいい。「ゴン」という名前は息子が付けたものです。犬小屋の近くには隣家の柿の木があります。2年前の秋、隣家から夕べ熊が出たらしいが、何もなかったかと聞かれました。ゴンも吠えなかったし、静かな晩でしたよと答えていたのですが・・・。実は熊が恐ろしくて犬小屋の中に隠れていたらしいのです。以前にも朝早くゴンが吠えているので何事かと思いきや、カエルやミミズに向かって思いきり吠えていたのです。熊には吠えられないけれども、小さな小さな相手には思い切り吠える姿は、まるでどこかの人間社会と同じです。

 息子は毎日「ゴン」の散歩をしています。散歩というと聞こえはいいですが、見た人の話では、ただ犬に引きづられているだけだという説もあります。雨の日も風の日も、「ゴン」のおかげでいい運動になっています。感謝しなくては・・・。そのうちゴンの散歩係が、息子からバトンタッチされるのもそう遠くない日なのかも知れません。書店に出かけて犬の本を探すと、本当に多く出版されています。「犬の飼い方」などを読むと、事細かな成長としつけが書かれており、人間にもあてはめたいような記述が多くみられます。最近は犬のしつけレベルすらできない人間も見かける世の中になってしまった気がします。