美しい芝生の中の雑草 
 vol.02
 2005/6/28

 モンゴル博物館前に広がる芝生も6月を迎え、ようやく新しい芽を吹き始め美しい緑の絨毯に変わってきました。自然が相手なだけに、この美しい景観を保つのはなかなか大変なことです。ちょっと手を抜くとすぐにだめになります。
 芝生をよく観察してみると面白いことに気付きます。少々人工的にも見える芝の一面には、実はびっしりと雑草が組み込まれているのです。色々な種類の雑草が小さく顔をのぞかせ、雑草と呼ぶのは気の毒なような芝生の中の雑草のいくつかが小さな小さな花をつけています。近くで見るとどれも結構きれいなのです。
 この芝生の中から雑草だけ全て抜いてしまえば純粋で美しい芝生になるのではないかと素人は考えてみます。確かに緑の絨毯のような美しい芝生になるかも知れません。ところが専門家に聞くと、やがて芝生はすっかり枯れてしまうそうです。芝は害虫に大変弱く、芝の中に一緒に混ざって生えている雑草が、その中の害を一手に引き受けてくれるといいます。もともと雑草は強いから、ちょっとくらい虫害にあってもまた立ち直ることができるのです。

 つまり、芝生は雑草と一緒にいることで美しく生きています。雑草もまた、芝生の中にいるからこそ真価が発揮できているのです。今の教育現場で叫ばれている「生きる力」は、芝生の中から雑草を抜くこととよく似ている気がします。芝が芝だけで生きられないように、日本を動かしているエリート官僚もエリート官僚だけでは全く動いていけません。そして雑草も、雑草の特性や能力を、それが生かされる場所においてやらなければ、ただの雑草で終わってしまいます。普段は気がつかないだけですが、よく考えてみればみんな支えあって生きているのです。家庭や地域、学校や職場も、目の揃った美しい緑の絨毯になるよう努力することにより、本当に強い芝生になるよう努めることが現代社会においては大切なことではないかと思います。