入院その後 
 vol.99  2002/9/29

 入院したときには見えなかった「こうのとり空港」方面の山並みの木が少し色づいているのに今朝気が付きました。秋は、いろいろな色と出会う季節です。抜けるような美しい秋の空、さらに風にも秋の季節を感じることがあります。但馬の山は、人知れずにその装いを変え始めています。病室から見える景色も、病院によって大きく変わります。
 思えば入院先々での印象に残る景色があるものです。生れて初めて入院した東北大学病院、正面玄関は古い洋館なのに、北側にあった大きな病棟との通路にはお洒落な花屋とカフェテリアが印象的でした。緊急輸送で運ばれた東京女子医大では窓から見える桜並木が印象的でした。転院した八戸労災病院では昼と夜の顔があって、変化のある景色を楽しめました。昼の群青色の太平洋と、夜のイカ釣り舟の漁火。但馬に移ってからは、出石病院での黄金色した稲穂の波。今回二回目の入院となった豊岡病院。3階西側の窓から夕日を眺めていたら、山のシルエットが重なり合った姿は水墨画の世界でした。豊岡病院には昨年12月の入院以来ですので、そのときには雪景色でどんより重たい雲に覆われた空から降りしきる雪景色で、山陰特有の冬の光景です。
 
 豊岡病院は当地方では一番大きな医療施設ですが、老朽化した建物を継ぎ足し建築で増築しており、駐車場も病院も現状では十分に対応できない状況です。医師も若い方ばかりという印象を受けます。また、看護婦さんの不規則な勤務時間と患者と向き合う真摯な姿には本当に頭の下がる思いです。特に若い看護婦さんには教えられることが多くありました。最近の若い人云々などと言われる中、人生の先輩としての大人が見習うべきではないかと思います。ただ、全ての人たちがそうだというわけではなく、中にはこんな人もおりました。ああだこうだと聞いてくるのですが、患者の視点でものを語っておらず、話していることがよく分からない人がいます。その度に語気が強くなり、明らかに「私が聞いているのは違うじゃないか」と、悪く言えば融通が利かないのです。あなたたちは医療現場のプロなのだから当たり前ですし、現場で患者自身にきちんと納得してもらうことも重要な看護師としての要件だと思うのですが・・・。その看護婦さんが来るだけでストレスになってしまいます。ただでさえ単調な入院生活でストレスは爆発寸前だというのに、患者の気分が滅入るような対応はやめてほしいものです。若い看護師の人たちの対応がとても生き生きしているように感じました。

 8月30日から9月末までの1ヶ月間入院していました。治療目的で入院したのですが、薬による副作用が体に合わず、最終的に治療を中止しなくてはなりませんでした。これ以上続けると、危険ラインになると医師から告げられ、あきらめざるを得ませんでした。その日の数値を確認して治療を続けていました。治療さえ始まれば、すぐにでもいい結果が出るものとばかり信じていただけに、治療に耐えられない体が情けなく思います。連続治療を続けると更に血小板等が極端に少なくなってしまい、今の状態が限度だそうです。結局、血小板が思うように増えなくて、治療は中断となった次第です。
 入院するたびに思うことは、「立ち止まる時間を持つ」大切さだと思います。今後もある程度、仕事面でも大きく制約を受けることになるでしょうが、今しばらく周囲の温かさに甘えたいと思います。