◆ ここ数年、但馬地方では全国的な考古学的発見が続いています。出石町袴狭遺跡からは4世紀の大船団を描いた線刻画が発見され、大陸との交流があったことが想像されています。
◆ 最近のニュースでは兵庫県朝来郡和田山町にある「茶すり山古墳」が全国最大級の円墳であることが報道されました。古墳の直径86メートルは近畿最大で、全国的にも6番目の大きさであり、その巨大さが分かります。埋葬施設は未盗掘で、刀剣・甲冑・鏃・鏡・玉類など大量の副葬品が出土しています。埋葬施設からは46本の刀剣が出土。国産の対置式二神四獣鏡や大陸製とみられる内行花文鏡など鏡3枚が頭部をはさむように置かれており、埋葬時に王の顔に塗られていたとみられる赤色の顔料が周囲に付着していました。頭上には甲冑3点、足元には刀剣類のほか、鏃が約100本埋葬されていました。「茶すり山古墳」の発掘は自動車道の建設に伴う調査でしたが、当初はあまり大きな円墳だとは誰も考えていなかったのが、発掘調査の結果、直径86メートルもある近畿最大の円墳であることが確認されました。県教委では古墳の規模が大きく、当時貴重な鉄製武具が大量に埋葬されていたことから、武人的色彩の強い王だったのではないかと話しています。5世紀前半、交通の要衝で、但馬の中でヤマト政権と密接につながった古代但馬の王の姿がくっきりと浮かび上がらせています。
朝来郡のある南但馬には、若水古墳・城の山古墳・池田古墳など支配者クラスの古墳が集中しています。古代国家形成プロセスの秘密がもしかすると但馬にあるのかも知れません。但馬に隣接した丹後地方には、丹後独特の古墳文化を有していたことが分かっており、古代丹後王国とも呼ばれています。但東町はこれらの中間的な位置関係にあり、両者の文化を何らかの形で影響を受けていることは容易に想像できますので、今後、興味深い事実が新たに報告されるかも知れません。
◆ 今日もまた八鹿町九鹿にある古墳時代中期の直径20メートルの円墳沖田1号墳から、県内で二例目の和鏡が出土したと発表がありました。専門家はヤマト政権が作った国産鏡を地方の小豪族にも配布していたことを示す資料と評価しています。
今夏、但馬は古墳時代の話題が続いています。話題になることは但馬人にとってはうれしいことですが、すべて開発に伴う発掘調査であり、いずれ破壊される運命にあります。これまで県の南部に集中していた高規格道路の建設が但馬に押し寄せてきた結果であることは、悲しい事実の結果でもあります。
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