◆ 先月末、北九州博覧祭に出掛けてきました。スペースワールドの隣接地で開催されているので大分にぎやかなのかと思いきや、閑散とした雰囲気で少々オドロキ。すでに閉会してしまったのではと思うぐらい、人がいない。それでも後半は動員がかかって増えてきた話を聞いたが、残り数日にしては盛り上がりが一切感じられません。いまどきこんな時代遅れの博覧会をやっていること自体が信じられません。何を意図して計画されたものなのか、当事者以外には計り知れないものがあります。町内会主催のイベントと何ら変わり映えせず、パビリオンの中身と質の低さ、食べ物のまずさ、ありきたりの土産品ばかり。近年稀に見る酷いイベントです。何といっても目玉になるパビリオンは一つもないし、これといったテーマが何も見えてきませんでした。
ステージでは九州各地のお国自慢をやっていましたが、どこの地方博覧会でもやっているものでウンザリ気味の趣向です。企画するほうも知恵を絞っているのかと疑問の連続。そろそろこの手の愚行のオンパレードである博覧会もおしまいにしてほしいものです。無駄な税金を使い、このために高速道を整備したり、とんでもない巨費が投じられているのですから・・・。それに比較して、まじめに運営している地方博物館がいかに多くあり、かつ地方の文化を支えてきたのかこの博覧会を見て思いを強くした次第です。
ここにはモンゴル館もあるのですが、物販棟・レストラン棟・ゴビ砂漠体験?棟からなるゲル3棟で構成されているだけです。珍しいものは何もなく、初めてモンゴル文化に触れる人たちにとっては「こんなものか〜」という意見が多く、こちらも少々物足りない感じ。モンゴル館だけに限らないことですが、全体的にいまひとつといった雰囲気で、スタッフの思い入れとは大きなギャップを感じます。所詮、にわか仕立ての安っぽいイベントに過ぎず、ここで時間をつぶすのは至難の業です。出店した人たちにとっては大きな困惑と借金苦だけが残ってしまったのでは・・・。
◆ 翌日、長崎県松浦郡鷹島町を訪問。モンゴル村と言えば「鷹島町」と呼ばれるほどモンゴルとの交流や町おこしでは先進地です。鷹島町へのアクセスはお世辞にも恵まれているとはいえませんが、思っていたよりも早く着きました。朝早く博多駅から地下鉄を乗り継いで唐津へ、唐津からレンタカーを借りて肥前町のフェリー乗場へ、フェリーは約10分の乗船で鷹島町に着いてしまい、便利なものでした。レンタカーさえあれば比較的自由な旅行ができそうです。
まずは町歴史民俗資料館へ。大きな施設ではありませんが、元寇に関してコンパクトにまとめられていました。案内は教育委員会の山下さんで、団体の方が来られると率先して説明されている姿が印象的でした。今でこそ展示資料は多くありませんが、隣接した文化財センターには鷹島沖から引き揚げられた元寇に関する資料が保存処理中ですので、いずれ公開展示されたらユニークな展示構成になるものと興味が湧いてきます。
隣の文化財センターは女性学芸員の方を中心とした活動のようですが、各分野からのアドバイスを受けながら真摯に取り組まれている姿が印象的でした。新聞報道された「てつはう」と呼ばれる陶弾も脱塩処理され、大きな木製の碇は特注水槽のポリエチレングリコールに浸されていました。施設は出土文化財センターとして建てられているのですが、雰囲気は魚市場そのものです。海底から引き揚げられた資料がコンクリートの床の上にある水槽に並べられています。いずれにしても町レベルでは考えられない保存処理施設でした。余談になりますが、海底での発掘調査は一日当たり100万円ほどと聞いて驚いてしまいました。それも潜水夫が午前と午後の作業時間として各1時間だけだそうです。
次に島の北部に位置しているモンゴル村ですが、ゲル30基の宿泊施設、レストラン、草原広場、バーベキューハウス、そして建設中の新しい温泉というように全国のモンゴル村の中では最も整備されている感じを受けます。ここから眺めた玄界灘は絶景そのものです。この日は天候にも恵まれ、緑の芝生と青い海原が妙にマッチしていました。但し、冬は風が強くて大変だということを話されていました。少し気になる点として研修棟がうまく機能していない感を受けました。これは離島ということで通年での利用が難しいのではないかと思います。研修室は長く使われていない様子でしたし、展示室もオープン当時の情報がそのままでした。お金をかけないでもアイディア次第で何とかなりそうな雰囲気もあり、今後に期待したいと思います。
モンゴルとは直接関係ないのですが、鷹島町はふぐの養殖も盛んですので、これからの季節も楽しみです。それとモンゴル村のレストランでいただいた刺身定食はプリプリとしており、味・鮮度ともに鷹島ならではという感じです。今回は突然の訪問にもかかわらず、教育長や支配人から丁寧なお話を伺うこともでき有意義な視察でした。次回、改めて施設同士の連携や協力関係についても具体的に進められたらと思います。こんな町ならまた行ってみたい、そんな感想だけが残りました。 |