夏の疲れを残したまま秋風 
 vol.73  2001/9/8

 夏休みもあっという間に過ぎてしまい、気がついてみたら今年も秋風を感じる季節になってしまいました。今年は猛暑の影響か、夏の疲れが早めに出てきたようです。近所でも、仕事の関係でも、顔を合わせれば朝晩問わず「暑いですねぇ」が挨拶代わりだった今年の夏。体温が上がりすぎて、眠れない夜が続き、ついつい冷たいものをとり過ぎてダルイ毎日でした。それにしてもつい半月前までは寝苦しい夜をエアコンで切り抜けていたのが、お盆を過ぎた頃から徐々に涼しくなってきました。
 春以降、やや体調が悪いと思っていたら、職場検診でも案の定、再検査の通知が来ていました。毎度のこととはいえ、やはり気になるものです。ニューヨークにいる友人の医師から先日電話があったばかりで、こちらで治療をしてみないかと声を掛けていただきました。こちらでの新しい治療方法などのアドバイスをしてくれたり、定期的に電話をくれます。その度、ふと自分の体のことが気になって仕方がありません。仕事や家族などの環境を考えると、なかなか思い切った休暇も取れません。まして職場と家が一緒のような環境では尚更です。思い切って、ニューヨークに出掛けてみようかと思っても、結局は踏ん切りがつきません。

 8月19日から27日の予定でモンゴル友好使節団が、首都ウランバートルやダルハンを中心に友好親善の旅に出掛けてきました。中学生たちを中心にした使節団でしたが、彼らにとってモンゴルはどのような姿に見えたのでしょうか。まだ話を聞いていませんが、日常とは違った異文化理解を体験してきたことでしょう。
 彼らと同じように中学2年生だったM君が夏休みを利用して博物館に通っていました。東京の大学2年生ですが、将来はモンゴルと日本の交流に一役担える仕事をしたいと張り切っています。モンゴルに関する知識もまだまだですが、やる気だけは人一倍のようです。連日、モンゴルに関するブリーフィングをしたり、篠山市にオープンした「モンゴルの里」に泊まりに行ったり、少しでもモンゴル文化に触れられた夏休みだったのではないかと思います。
 また、学芸員の実習では、滋賀県立大学のSさんが10日間に渡って博物館のノウハウを学んでいました。博物館のイロハを10日間程度で実習体験するのですから、本人も受け入れ側も大変なことです。実際に博物館へ勤めることは現状では大変な狭き門となっていますが、一人でも学芸員の資格をとってもらい、これからの博物館への良き理解者となってほしいと切実に思います。

 8月後半から講演会が続きました。ここ数年の傾向として同じ依頼者から呼ばれることが多くなり、4年連続という所もありました。内容も学社融合、教育と文化財、国際理解学習、国際交流などバラエティーに富んでいますが、いずれも特別な話ではありません。これまで博物館が実践してきたことであり、通常考えていることをまとめ直したに過ぎません。そんな話でもお役に立つのならと思い、簡単に引き受けたものばかりです。今でも講演日が近づくと資料や原稿の整理に追われ、なかなか緊張して落ち着きません。いざ話が始まると何でもないのですが、何回引き受けても始まる直前まで嫌なものです。なかには主催者のトップの方が最前列で熟睡されることもあり、次回への戒めとしています。人の前で話をする大変さ、人の話を聞く大変さ、様々な大変さや大切さを教えられますし、各地で素敵な方たちとの出会いもあり、いつも苦しくてもあり楽しくもある講演会です。でも、さすがに5日に東京出張、そのまま夜行に乗り6日午前中に兵庫で講演会、そして7日に町議会、体調不良のわが身には少々こたえる日程でした。

 夏の疲れを癒して静かに更け行く秋を楽しむこの頃ですが、うるさかったセミの声から、夜は秋虫の音に変わったようです。季節は必ず移ろい行くものですが、日本の政治はなかなか目に見えて変わりません。景気や失業も相変わらず、一連の外務省不祥事も相変わらず腐れきった人間ばかりが横行しています。夕方のニュースでは吹田の自動車道で発生した中学生の殺人事件が、なんと近くの香澄町の中学校教師が逮捕されたという報道。言葉にならない驚きです。いったいこの国はどこまで病んでいくのでしょうか、そして根本的な治療はできるのでしょうか。