砂浜美術館 
 vol.65  2001/5/31

 高知県大方町にある砂浜美術館ってご存知ですか?この美術館は、「波と風が砂浜にデザインする模様」「美しい松原」「沖に見えるクジラ」「砂浜に咲くラッキョウの花」「太平洋に沈む夕陽」などが主な作品だそうです。展示作品は365日間、24時間、時が流れるままに刻々と変化をしながら見学者を迎えてくれています。こんな発想から生まれた美術館は既に10年以上が経過しています。エコ・ミュージアムの先端を地でいくユニークな美術館です。館長は沖合いにいるニタリクジラというのも楽しい発想ですし、ものの見方をチョット変えただけで、こんなにも素敵な砂浜美術館ができるのかと感心させられました。
 砂浜美術館では、企画展として浜辺に漂着した椰子の実やライター、浮きなどを展示する「漂流物展」、各自が参加して集めたTシャツを浜辺に1500枚も洗濯物のように展示した「Tシャツアート展」、可憐な花が咲く「ラッキョウの花見」「サンドクラフト展」といった聞いただけでも楽しくなるイベントが盛りだくさんです。

 ユニークな発想の下に生まれた砂浜美術館や一連の企画について、町民の人たちにはなかなか理解できないそうです。地域の当たり前の砂浜だけに、あまりにも身近すぎて、別に面白くも楽しくも感じないらしいのです。外部から高い評価を受けている割には、町内での評価は限りなく受けていないそうです。経済的な効果がみえないという指摘もあるようですが、大方町を知らせる、売り出すという意味では大きな効果を上げていると思います。これまで宿泊施設がなかった町にホテルがオープンしました。これといって取り柄のない町だったのが、いっぱいある自然を利用して生まれた砂浜美術館が誕生してからというもの、全国的に知られるようになりました。「私たちの町には美術館がありません。美しい砂浜が美術館です」、ものの見方を変えると色々な発想が生まれてくるものです。