モンゴル国首相の来日 
 vol.59  2001/3/31

 2月14日、モンゴル国からエンフバヤル首相夫妻が来日しました。赤坂のホテルオークラを会場としての歓迎会でしたが、全国からモンゴル関係団体を中心に、数多くの政治家も顔を出しておりました。エンフバヤル首相がかつて文化大臣当時に何度もビザを発給したことがあり、面識はありませんでしたが以前から好感を持っていました。文化大臣も30代半ばでの大臣経験であり、若い実力者といった感じでしょうか。趣味は卓球とバスケットボールと聞いており、庶民的なにおいがします。ソルモン首相夫人は、国立証券取引所に勤めており、2男1女の母親でもあります。とにかく日本では考えられない43歳という若い首相です。

 昨年7月末に正式に新首相に就任した際、「民主化の定着に努めていきます」こう宣言しました。一党独裁のイメージを払拭し、中道左派政党としての再出発も誓いました。昨年の総選挙では人民革命党を率いて、76議席中72議席を確保したという国民の信頼感がみなぎっています。「人民革命党の党綱領からマルクス・レーニン主義は外されており、社会主義独裁への後戻りはない」と言い切り、独裁政治から「国民党」への転換を目指しているのが伝わってきます。
 1980年、モスクワ文学大学を卒業。イギリスにも留学した国際派なのです。英語とロシア語に堪能で、記者会見では欧米メディアに英語で答えることもあります。旧ソ連の影響下にあったモンゴル政府、党で翻訳の仕事をこなし、90年からの民主化以降も92年から96年までの4年間、文化大臣も務めています。人民革命党は前回96年の総選挙で民主連合に惨敗して下野しています。97年、同当主に就任し、政権奪取を目指してきました。選挙戦では「貧困と地域格差を是正する。民営化は法律が整ってから、慎重に取り組む」と鋭い弁舌で、社会改革を訴えていました。大きな体を小刻みに揺らし国民経済、民営化問題に熱弁をふるう姿が印象的です。「深い関心があるので」と専門家を自認するするほどです。外国の援助頼みのモンゴルにとって、「経済の自立が最大の課題だ」との決意が見て取れます。全方位外交を掲げるモンゴルですが、日本は最大の援助国。「モンゴル人は困難な時期に助けてくれた友人を忘れない。日本からの投資を歓迎したい」と呼びかけていました。