博物館の存在使命とは 
 vol.143  2005/6/8

 皆さん自身が勤めている「博物館の使命は何ですか」と問われた場合、明確にすぐに答えられる職員が何人おりますか?博物館の基本的役割は、資料の収集、整理・保管、展示であり、他に調査研究、普及・教育とされ、常に教育施設として扱われます。それでは、何の目的を達成するために、資料の収集・整理・保管・展示の仕事をしているのでしょうか。博物館の使命はその時代、時代によって大きく変化してきたことは事実です。現在でも評価の方法によっては、様々な使命を並べることが可能です。
 時代によって大きく使命が変わるのであれば、現在の博物館は現実世界から乖離しているとしか言いようがありません。青色吐息の博物館は、まさしくこのギャップから生まれてきた所産だと思います。現代そして将来の博物館を運営する目的や使命、そして役割を果たすための手法やフィールドは、もっと柔軟に検討されてもよいと思われます。

 博物館の統廃合は、社会全体の中での費用対効果という効率性の中で論じられる問題であり、単純な入館者数や行政内部の経費削減等の視点等で評価されるべきではないと考えます。02年11月に千葉県立博物館で開催された「博物館シンポジウム」の結果を要約すれば、次のようになるでしょう。「何のための博物館?」ということを突き詰めれば、現在の博物館に求められている博物館の使命は、地域の自然・文化の保全・再生・創造のための研究及び情報の拠点となり、それと同時に総合学習や生涯学習の拠点となることが、このシンポジウムやアンケート調査で明らかになっています。この点を踏まえ、お互いの垣根を取り払い、膝を交えた関係者同士の話合いが必要です。従来どおりのマニュアル的、権威主義的な会議はもう結構です。
 入館者数だけを誇示する美術館、一点豪華主義博物館、御当地出身お抱え美術館、いったい当館はどこに属したらいいのだろうか、それともどこにも相手にされずに独りよがりで頑張るしかないのでしょうか。