青色吐息の博物館 
 vol.142  2005/6/8

 「青色吐息の博物館・・・」と常磐大学の水嶋先生がコメントを出していましたが、まさに全国的にそんな声が聞こえています。兵庫県内では芦屋市美術博物館ですが、博物館・美術館がオープンするときには盛大なセレモニーが開かれ祝福されますが、設置時の首長が変わり、合併で新しい市に生まれ変わると金食い虫のドラ息子のように言われます。揚げ句のはては勘当息子ということになってしまいます。芦屋市は大胆な行政改革実施計画を発表し、美術館については民間委託を検討し、それが実現しない場合には売却または閉館するというのです。阪神淡路大震災の影響もありますが、全国的にお金持ちの多い街「芦屋」のイメージとは程遠い財政状況です。

 日野市ふるさと博物館が存続の危機に瀕していることを知人の博物館関係者から聞きました。早速、ホームページで確認すると「ひのふる」というサイトのなかで、市民不在のまま行政サイドが押し切ろうとしている姿が見えてきました。悪名高いNHKの看板番組でもある大河ドラマに触発されたのか分かりませんが、新撰組のふるさととして有名な日野市だけに、「新撰組観光事業」の町おこしのため、現在の博物館を「新撰組伝承館」として小学校跡に移す案が出ているそうです。いかにも安直で文化のかおりがしない政策ではありませんか。ちなみに日野市ふるさと博物館は改修工事とかで、現在は閉館中です。 このまま推移すれば、行政側の強行策によって「新撰組伝承館」なるものが、博物館として再スタートする気がしてなりません。様々な口実の元、博物館を閉鎖して観光・普及施設に鞍替えしようというのは明白であり、日野市の文化度もこの程度と残念な思いです。

 他の施設でも指定管理者制度を導入し活性化しようとする施設もあると聞きます。それで本当に活性化するのでしょうか。デパートが運営してきた美術館はすでに大半が姿を消してしまいました。しかし、税収減を理由に公立の施設が閉館するという話はきいたことがありません。一部でも公立施設が閉館することにでもなれば、それは全国の公立美術館・博物館に雪崩現象をひき起こすことにつながっていきます。既に他人ごとでは済まされません。かくいう私自身も、以前から利用者の増減は毎日気になって仕方がありません。近所のスーパーの店長と全く同じです。同業他社の動きをいつもチェックし、出張があれば必ず予定に博物館巡りを入れています。

 博物館側にも問題点は数多くあります。その一例として、施設を運営していくというマネージメントの欠如。ここ数日、ある施設関係者と広報に関する調整をしていたのですが、公立施設において、紋切り型のお役人がいかに多いのか痛切に感じました。規則に縛りつけられ、チョットしたことでも自分たちで判断できない職員が急激に増えています。常に博物館はこうあるべきだという信念を持って説明できる職員が残念ながら少ないのが現状です(ほとんどおりません!)。施設間においては職員の温度差、または館長の取組む姿勢によっても大きく違います。肩書きだけの館長ならば、その施設にとっては悲劇であり、将来の文化行政にもけしていい影響はありません。この閉塞的な感覚や空虚な調整に少々疲れてしまいました。