芦屋市立美術館存続の危機 
 vol.128  2003/12/1

 深刻な財政難にある芦屋市は、美術館の民間委託を模索し、委託先が見つからない場合には休館ないし売却する方針を出し、関係者を驚かせています。10月に公表された行政改革実施計画に盛り込まれ、06年3月までに委託先が決まらなければ存続されない可能性が強くなっているのです。税の減収に伴う措置として、公立美術館が存続の危機に立たされるということは前代未聞のことです。確かに市民からは難しい展示だという意見を聞いたこともあり、市教育委員会からも市民ニーズにそぐわないという批判もあったことは事実のようです。
 芦屋市立美術館は1991年に開館し、芦屋市にゆかりある作家やグループを中心に展示、収集してきました。収蔵資料は1300点、平成14年度の入館者数2万800人。文化施設は市民の大事な共有財産であり、これをいとも簡単に手放すことになれば、文化行政の後退にもつながりかねず、多くの関係者や市民は危惧を抱いています。

そもそも深刻な財政事情に陥った要因は文化行政ではなく、ハード面の大型事業の見直しや失政が文化行政の足を引っ張っていることの説明が一切ありません。行政改革実施計画には、博物館や市民センターを管理するし文化振興財団を解散させ、各施設の民営化を推進し、18億円の歳出削減を図る方針といいます。さらに、谷崎潤一郎記念館の民間委託、文学賞の休止、図書館の図書購入費削減なども上げられているようです。文化を軽視するツケは必ずや後々に私たちの子や孫の世代に現われてくることを覚悟すべきだと思います。文化都市「芦屋」の名前がやけに貧弱に聞こえて仕方がありません。