◆ 5月はこどもの日。我が家ではあまりテーマパークとは縁遠い環境になっていますが、それでも子どもたちが小さいときにはかなりの頻度で出かけたものです。近年、地方のテーマパークは宮崎のシーガイアの破綻に象徴されるように、いずこも青息吐息です。香川県にあるレオマ・ワールドは無期限の休園状態です。北九州のスペース・ワールドは健闘しているようですが、岡山県倉敷市のチボリは集客が伸び悩んでいます。長崎県佐世保市に所在するハウステンボスも業績不振で、平成15年2月26日、長崎地裁佐世保支部に会社更生法の申請を行ないました。ハウステンボスは92年3月開業で、投資総額2200億円、資本金30億2500万円、入場者数が平成14年で352万人(平成13年400万人)、借入金残高1800億円。負債総額は2289億円で、01年のシーガイア(負債総額2762億円)に続く大型テーマパークの倒産というわけです。80年代から90年代にかけてのバブル期に、リゾート法に乗って第三セクターで建設され破綻した多くの大型レジャー施設と同じ道をたどったわけです。ちなみにハウステンボスの神近義邦前社長はバブル時代の風雲児・今太閣などともてはやされた人物です。彼は西彼町中山郷出身で西彼農高定時制卒。西彼町役場職員を経て、県(地方課)への1年間の派遣研修、その後に役場を退職して東京の一流料亭に就職。オランダ村からハウステンボスへと、まさに波乱万丈の人生だったのかも知れません。
◆ 83年、千葉県浦安市でオープンした東京ディズニーランドの成功をきっかけに、様々な体験を楽しめるテーマパークが、次々と誕生しました。しかし、もともと初期設備投資負担が大きいうえ、バブル崩壊後の不況の長期化による集客減から、多くのテーマパークの経営が悪化、とりわけ、地方のテーマパークの経営不振が深刻化している。年間100万人以上の来園者を集めていた四国最大のテーマパーク「レオマワールド」(香川県綾歌町)が、経営不振のため、休園に踏み切った。幅広い年齢層をターゲットに年間500万人の入園者を見込んで91年にオープンしたが、入園者は初年度の290万人をピークに減少を続け、累積赤字と債務超過額が膨らんでいく結果となったため、苦渋の選択を余儀なくされた。また、やはり8月31日には、アジアの風景をミニチュア化して再現したテーマパークを運営していた第三セクターのアジアパーク(熊本県荒尾市)が、経営不振のため臨時株主総会で解散を決議。依然続く消費低迷も加わって、ほとんどのテーマパークが入場者数を減らすなど、テーマパークを取り巻く経営環境は、年々厳しくなる一方です。
◆ そんな中、一人勝ちの東京ディズニーランドの強さの秘密は、観客の97%を占めるというリピーターでしょう。国内のテーマパーク売上げランキングは、東京ディズニーランドが2位以下を大きく引き離しています。3位のシーガイアが倒産するなど、全国のテーマパークの8割近くが経営不振にあえいでいます。01年3月、鳴り物入りで開業したUSJが相次ぐ不祥事で窮地に立たされています(ゴールデンウィークは前年比増でした)。開業2年目、不祥事発覚前から異変が起きています。開業初年度に目標を4割近く上回る1100万人に達した入場者数が昨年5月から前年を下回り、6月は54万人と約45%も減っています。7月はレストランでの賞味期限切れ食材、飲料水への工業用水供給、火薬の不正使用といった不祥事が相次ぎ、対応の不手際とあいまって入場者数は前年比32%減に落ち込みました。書き入れ時の夏休みと重なり最悪のタイミングとなってしまったようです。かげりが見え始めた入場者数に不祥事が拍車をかけたといってもいい感じです。
◆ 「2年目のジンクス」という言葉があるように、テーマパークにとって開業2年目は重要な意味を持ちます。東京ディズニーランドでさえ開業2年目は入場者数を減らしています。USJがその2年目の夏に周囲の信頼を裏切る問題が続発するのはテーマパークのイメージ作り、ブランドに致命的といえるでしょう。リピーターが、USJへの来場を控える動きも確実に広がっています。好調を持続する東京ディズニーリゾートとは大きく明暗を分けてしまいました。
そして何より忘れてならないのはリピーター客の確保です。そのためには新規アトラクションの導入、既存アトラクション、パーフォーマンスの内容変更は欠かせません。あるアンケート調査によれば東京ディズニーランドと比較して施設の魅力では決して劣ってはいませんが、スタッフ対応など接客レベルではまだまだ十分ではないという結果が出ています。従業員に対する教育にも力を入れる必要があります。リピーター客確保の決め手はUSJは常に変化、発展することです。訪れた客は必ず新しさを感じるという点でしょう。いかに飽きられないように施設とサービス、つまりハードとソフトの質を維持、向上させるかが今後の課題なのでしょう。テーマがしっかりしており、提供できるソフトが豊富であれば地方の小さな施設でも成功する可能性は全く無いわけではありません。そんな思いで博物館運営を心掛けたいと思います。 |