◆ またしても川口外務大臣の不本意発言。北朝鮮拉致家族の気持ちを逆なでする発言は、所詮は一介のエリート官僚だったようです。蓮池氏の外務省は敵だという発言に象徴されるように、無能な外務省の体制問題。 川口外務大臣を含めた緊張感の欠如。気概のなさ。使命感の喪失。目的意識のなさ。ひ弱さ。事なかれ主義。これまでの事件も含めて、外務省に対しさまざまな批判が提起されました。川口外務大臣自身にも、いろいろな言い分はあろうかと思います。しかし、行政も政治と同じく結果責任を問われるはずです。外交が、ここまで国民の信頼を失うというのは、危機的な事態です。このような状況のままでは他国との間で交渉能力を発揮することも当然ながら制約されてしまいます。
川口外務大臣の職務遂行能力を認めつつも、長年染み付いた外務省の体質は簡単には変わりません。職員一人一人の意識改革が必要であり、本当に反省しているようには見えない等、手厳しい意見が相次相次いでいるのは当たり前。確かに下記のような華麗な経歴ですが、一般的な官僚の域から出られないカラーは誠に残念です。民間出身といっても官僚経験を買われての転出であり、それなりに無難に職務を遂行してきただけで、これといったものは見当たりません。
昭和16年 東京都生まれ
40年 東京大学教養学部教養学科国際関係論分科卒業
40年 通商産業省入省
国際復興開発銀行エール大学経済学部大学院修士(Master of Philosophy取得)
通商産業省通商政策局経済協力部長 在アメリカ合衆国日本国大使館公使
通商産業大臣官房審議官(地球環境問題担当)
サントリー株式会社常務取締役(生活環境部担当)
12年 環境庁長官
13年 環境大臣
14年 外務大臣
◆ かつて日本大使館に勤務した経験から、外務省の体質については、それなりに理解しているつもりです。確かに、外務官僚の中には、外交は専門的な分野であり、国民には理解できにくいので、選ばれた我々専門家が外交を推進すればよいというような意識を持っている人も多かったと思います。そのことが、外務省の特権意識を生む要因になったことは否めない事実だろうと思います。私自身、大使館勤務を通じて感じたことは、外交は政治と同じように、国民の意識の投影であり、国民のレベル以上に外交は進展しないということです。どんなに外務省が頑張っても、国民不在の外交は進まないのであり、これまでの外交の実績がそのことを証明しているのではないでしょうか。そういう意味で、外交活動は、国民の外交に対する理解が不可欠であり、外務省は、国民に外交を理解してもらうための不断な努力が必要です。言い方を変えれば、どれだけ外務省ファンを増やすかにかかっているのではないかと思います。
◆ 外務省が抱える最大の問題点は、国民生活との乖離だと思います。やはり外務省は旅券の発給業務以外に国民との接点がない省庁なのですから・・・。旅券の発給自体も地方自治体に委託した業務ですから、厳密には接点ゼロか?と思われても仕方のないことです。加えて、試験の特殊性があります。T種国家公務員試験以外の試験でキャリア職員を任官しているのは外務省だけです。そして、極めつけは外交官としての海外赴任。国民の目の届かない世界でこれだけ華やかな世界と特権意識を植え付けられれば誰だって勘違いして舞い上がってしまいます。しかも、赴任地における日本人社会では常にピラミッドの頂点なのですから、一介の役人が勘違いするのも無理からぬことです。以前海外に駐在していた時に経験したのですが、現地日本人会の会合やゴルフ場における外交官の威張りようは大変なものです。現地での彼らは日本人渡航者の安全を確保し、便宜を提供すべきサービス業務のはずが、王侯貴族のような顔をして民間企業駐在員から酒食の提供を受けているのですから、恐れ入るというより異常です。官僚出身の川口大臣と自民党には、常識的な役所に改革することは不可能なのではと思います。せめて10か条の改革案のように民間との交流が活発化し、多少は国民に近くなって欲しいと願っています。
でも現状は本質的な問題は何も解決されていません。これまでの外務省問題で関係者はどのような責任のとり方をするのか国民の関心は高いものがあります。飲酒運転でもすれば地方公務員は懲戒免職ですし、外務省職員の責任の取り方がこのままで良いと思いませんが、川口外務大臣も含めて真剣に考えてみては如何ですか? |