| ◆ 12日朝刊但馬版で、「モンゴル人画家の作品完成 入魂式、お国の歌で祝う」。8月末から3ヶ月間に渡って但東町に滞在し、モンゴルの伝統絵画ナクタン「チンギス・ハーンの生涯」を完成させた。構想から完成まで二年もの歳月をかけている。その間、彼らは但東の人々との出会いだけを楽しみに創作活動に励んできた。モンゴル人画家たちの無償の行為のおかげで、当館は博物資料だけではなく、優れたモンゴル絵画の殿堂にもなっている。
◆ 彼らの生活を知れば知るほど、厳しい自然環境を最大限に活用しながら、最も大切にしてきた民族であることを教えられました。彼らの生活や考え方は、まさしく地球に最も優しいものであると同時に、地球時代と叫ばれている現代こそ、彼ら遊牧の民から学ぶべきものがあるように感じる。生活に必要の無いものは持たず、シンプルな暮らしの中にも、高度な牧畜文化を培ってきた歴史は、21世紀を迎える私たちに必ずや生きるヒントを与えてくれると確信している。そのためにも、モンゴル人がおかれている自然や生活環境の厳しさは日本の比ではない。1年を通じて、常に自然災害にさらされながら、なおかつ自然に依って生きていかなければならない。寄り添い助け合うことは、奇麗事でも何でもなく、生きぬいていくための必要不可欠の条件である。今日助けられることが、明日助けることに否応無くつながっている生活では、「言う」ことよりも「やる」ことのほうが先決問題となる。
◆ 人間にはお金や物では表現できない大切なものがあることを教えられました。国が違っても、言葉が違っても、人間の心そのものは万国共通の唯一の言語だと強く確信している。
「遊牧民の魂が私を招く」と言ったのは、探検家コズロフだが、地位や名誉へのこだわりを捨てると、人間は遊牧民のように身軽になることができ、何にもとらわれない自由で豊かな発想ができる。偶然をそのまま通りすぎないで、自分の人生にとっての必然に変えていくことがとても大事なことだと思う。
但馬に暮らして七年半。いまだ但馬について十分理解し得たわけではない。言わば、修行中の但馬人である。しかし、仕事を通じて「何かお役に立てれば」という願いは強く、今後もご薫陶も得たいと思っている。(神戸新聞を読んで 02/11) |