◆ モンゴル博物館北側に伝承文化体験交流館が2000年4月2日にオープンしました。敷地面積2141.962u、床面積294.28uで木造平屋建一部鉄筋コンクリートで、本館とは通路で連結。但東町の民俗資料を展示した伝承文化室、体験学習のできる体験交流室、そして収蔵庫からできています。土地取得費・建築工事・展示工事・外構工事を併せて約1億2千万円の事業費です。博物館のハード面に関しては一応これで終了します。博物館建設の計画段階から関わり、短い期間で増築まで進めてきました。これらの作業を通して建設段階において少々感ずることがあり、メモ程度にまとめておきたいと思います。
◆ 自分の家を新築された方であれば、理解いただけるだろうと思いますが、公共建築においても建てた後で使いづらい空間が多いことに気が付きます。もっと、ああしたら良かった、この部屋はこんな雰囲気ではなかった等、多かれ少なかれ不満を持っているものと思います。図面を見ながら何度も何度も協議を重ねてきても、きちんとしたイメージができていないケースがいかに多いことか。もしかすると、設計した本人でさえ机上だけのもので具体的にイメージしきれていなかったことさえ想像されます。特に設計者は運営側と違い、毎日ここで仕事しているのだから大問題です。私の経験でも公共建築ができる過程で「えーっ」と目が点になる担当者を何度も見てきました。有名な建築家が設計した博物館であっても、運営担当者にとってはコンセプトがどうのとかは、ほとんど関係がありません。当館でも雪国生まれではない建築家が基本設計をしましたが、まったく雪対策など考慮されていません。雪が降るたびに、除雪作業に苦しめられています。
◆ では、なぜこのような悲劇は起こるのでしょうか。結局、図面を見てもらっても立体的に想像できず、着工以前にきちんとした理解が得られていなかったということです。お互い分かったつもりでいるだけで、細かな部分についてのイメージに欠けていたとしか思えません。専門家でさえ図面を見て、すぐにどんな立体的な建物になるのか分かる人は実際にはそう多くありません。簡単なことは立体模型を作って理解することです。それもなるべく大きいものを作って、施主に対する説明も誤解のないようきちんとすべきではないかと思います。模型の段階であれば、部屋の入口や窓を大きく変更するのもカッターナイフ一本で十分です。労力と資源の無駄がありません。公共建築は設計段階で必ず模型を提出してくれと、要求することも大切なことです。本来は当り前のことなのでしょうが、町村レベルでそこまで要求している自治体は現状では少ないようですし、管理運営者が設計段階から関わることもそう多くはありません。ちなみに私自身も、今でこそ博物館の運営サイドにおりますが、学生時代は建築工学科出身なのです。 |