◆ 昭和47年に開館した町民俗資料館は、旧赤花小学校を活用した施設で、20数年を経て建物の老朽化や収蔵資料の劣化により、町民の期待に十分こたえることが困難になってきました。現況の民俗資料を今後もより有意義に活用していくためにモンゴル博物館敷地内への建設が望まれていたところです。町民俗資料館の移転建設を基本とし、体験型施設への脱皮を図りながらも、モンゴル博物館の機能をより充実させていく施設としてとらえていくものです。
◆ 近年は利用者あっての博物館という考えが特に重視されており、その利用者が博物館を利用して面白かった、楽しかったと感じてもらえないとしたら問題です。そこで、利用者や地域住民の多様なニーズにこたえていくための場作りへの工夫が必要であり、今後の長期にわたる博物館活動をも踏まえて考察されなければなりません。
博物館は社会教育施設や生涯学習施設として強く位置付けられがちですが、本来は地域自慢の名所・行事・物産・産業などをアピールする場であってもいいはずです。これは自治体の利益になると同時に、地域住民の学習の場、楽しみの場が増えることのほうが地域にとって重要なのではないかと考えています。要は、どのような理念のもとに、どのようなサービスを利用者や地域住民に提供できるかなのです。今後ますます進展するであろう生涯学習活動としての拠点であることを再認識するとともに、博物館を一つの地域資源とみなし、それが地域住民の生活にどう関わるかを模索していく必要があります。
◆ 上記のことから、地域住民を含めた利用者が要望している資料館とは、旧民俗資料館同様の保管を兼ねただけの展示施設ではなく、地域のカルチャーセンター的な機能を兼ね備えたものが要求されてきます。昨今の博物館状況から体験型(または参加型)の施設が強く望まれるところであり、当該施設においても同様です。
博物館増築といっても、建前は老朽化した但東町民俗資料館の活用策としての増築です。利用者を第一義的に考えた場合、モンゴル博物館南側に設置されるべきですが、駐車場や用地確保が困難、既存施設との運営管理等の問題で、景観や利用者の動線を最大限に考慮して、モンゴル博物館北側に位置している町立資母体育館駐車場が適当と思料されます。借地であった当該駐車場の土地取得も、土地所有者の意向もありこの機に進めていくものとします。
◆ 施設計画は建物の構造上の問題から、モンゴル博物館の北側回廊に新たな回廊を連結していくものとします。平面計画は「田」の字状のシンプルなもので、大きく展示・収蔵・学習スペースに分け、複雑な動線にならないように考えています。また、共用部分を極力少なくし、各所用室が有効的な面積を確保できるよう計画しています。また、一般に利用者は博物館の玄関から出入りするようになりますが、夜間および博物館休日時に学習スペースのみ利用できるよう単独の玄関も設置する計画です。 |