総理訪問ロジブック (1) 
 vol.38  政府要人訪問の雑用係 ロジ担 

 今、巷で問題になっている外務省のロジステック担当(ロジ担)に関する文書があります。海部元総理が1991年8月13・14日にモンゴル国を訪問した際のロジブックと呼ばれる40ページの冊子です。訪問の約1ヶ月半前から準備に取りかかり、各自分担の打合せ事項を毎日追加していくというものです。内容は一行名簿、日程、同行記者名簿・宿舎部屋割表、基本車列、行事次第、主要行事別出席者、宿舎案内、要人略歴、大使館事務分担、緊急連絡先などをまとめたものです。総理が空港に到着した時点から、空港での出発行事をして乗機するまでの式次第が図入りでこと細かく書かれています。まるで幼稚園の園児に手取り足取り学芸会の演目を教えているような内容です。ここまでと思うほどで、総理の公式行事すべてがお膳立てされており、操り人形の如く行事を次から次に消化していくものです。
 ロジの体制として大使館内部の事務分担は、本省と近隣公館(ロシア、中国、香港、ペナン)から12名の応援体制で、総勢23名で1泊2日総勢54名の一行を迎えたのでした。

 具体的な内容は次回で紹介したいと思いますが、大きく到着するまでの打合せ事項と滞在中の事項に分けられます。
1.一行到着まで
  @    本隊 Aプレス
2.一行滞在中として
  @総理宿舎連絡室 A随員宿舎連絡室 Bウランバートルホテル(プレス) C大使館
 現地で直接判断できることは少なく、本省を経由した内容を再度現地側と調整していくという内容です。要するに大使館は中継ぎの役割だけで、肝心な事柄はすべて本省サイドで決められていきます。今考えたら大した仕事内容ではなかったのですが、当時は着任して僅か3ヵ月半という不慣れな時期だけに、何をしたらいいのかさっぱり分からない状態でした。簡単に言えば雑用一般といったもので、特別難しいものでもなく、一度経験したら誰にでもできる仕事なのです。だからこそ本省ではノンキャリアの仕事になっており、キャリア組が敬遠する所以なのでしょう。外交の表舞台から見たら、まさしく裏方にあたる仕事です。ロジステックの言葉通り、まさに後方支援の仕事です。