査証業務 
 vol.33  ビザ(VISA)

 領事の大事な業務に査証の発給があります。査証というよりも一般的にはビザ(VISA)といった方がいいでしょう。でも、ビザって本当はどんなものかご存じですか?よく勘違いされるのは、ビザがあるから日本に入れると思っている人たちがおりますが、これは大きな間違いです。本来のビザとは、「外務省設置法」に基づいて在外の大使館や領事館において発給されるものです。ですから、日本に着いてからビザの発給を受けようと思っても無理なのです。あくまでも入国しようとする外国人の所持するパスポートに対する証明、または日本に滞在を認めますという裏書のようなものなのです。つまり、ビザそのものが入国や滞在許可を保証するものではなく、上陸申請のための要件でしかないのです。例えば、空港で入国審査官が問題ありと認定した場合には、ビザの発給があっても上陸することはできません。これらの勘違いや理解不足によるトラブルが多いことも事実ですので、外務省においても積極的な広報活動をしてほしいものです。

 ビザは、入国目的によって数種類の区分があります。例えば、短期滞在・一般・通過・特定・就業・公用・外交などがあります。ビザには機械押印するタイプと、査証シールを貼る二通りありますが、モンゴルでは機械で押印して書き込むタイプのものです。通し番号の付いた押印の上に、入国目的、在留期間、手数料等をスタンプないし手書きで記入し、登録された査証担当官のサインを書き込んでいきます。

 モンゴルの人たちは旧共産圏諸国人(東欧)という取り扱いを受けており、日本を訪問する際には必ずビザが必要になります。基本的には日本からの招聘状や身元保証書などの書類を日本側から送られないと、一般的には発給できません。大使館に設置してある査証申請書に必要事項を記入し、関係書類とともに提出を受けます。現地スタッフが受け付け、査証簿に記入していきます。関係書類が揃っていないものは、揃った時点で審査を行ないますので、当然時間も遅くなります。実際、本当に日本へ行くのかチェックするため、航空チケットなどで確認します。審査の細かなことは若干差し障りがありますので、大雑把なことしか書けませんが・・・。外交ビザの場合にはモンゴル外務省から口上書が送られてきますし、上司からの連絡等がありますので、比較的難しい問題は発生しません。

 但し、一般の短期滞在で興業活動や就労活動をさせようとする日本人も多く、トラブルが絶えません。昨日までホテルでウェイトレスをしていた娘が、申請書にはダンサーと書いてあったり、年齢をごまかすために厚化粧でやってきた娘がいたり、従業員が誰もいない実体のない会社社長であったり、本人を確認する作業はなかなか難しいものがあります。不審な申請者の場合には、本人から聞き取り調査も実施しますが、代理人が一切を仕切っている場合も多く、本人たちはまったく事情を理解していないケースもあります。提出書類が偽造されていたり、偽の招聘状であったり、悪質なものも結構ありました。そのような場合には、当然ビザ発給を見送られますが、後で嫌がらせの電話なども結構ありました。

 逆に日本大使館の職員が他国のビザを取得するためには、大使館からの口上書を添付して提出します。手数料はいずれも無料ですし、比較的、簡単に発給してくれます。でも、ときには発給ミスということもありますので要注意なのです。例えば、母親のパスポートに次男(2才)を併記していたのですが、当局側が確認を忘れて北京空港で人数が違うとしてスッタモンダということもありました。難なく済みますが、それでも嫌な対応を受けることになってしまいます。