モンゴルからの緊急輸送 B 
 vol.29  このまま帰国して退職すべきか、シカゴ転勤か?

 モンゴルへ戻った頃から人事移動の話が出ておりました。当初からモンゴル大使館、そしてシカゴ総領事館への転勤も決定していたのですが、この体調のままで転勤は本当に大丈夫なのだろうかという不安はありました。担当する仕事は変わらないのですが、新しい赴任地への引越しに伴う体力、新しい人間関係、子供たちへの教育など、よく考えてみるのですが大変さは今以上だろうということは理解できました。妻はシカゴへの赴任を当初から楽しみにしていたことを考えると、アメリカに連れていきたい気持も多少はあるのですが・・・。シカゴでは前任者の宿舎をそのまま引き継いでもらう約束になっていました。写真で見ると、ミシガン湖に面した20数階建ての高層アパートで、西側に沈む夕景のきれいな部屋でした。家族4人で生活するにはやや狭いように話していましたが、2年の在勤には何ら支障はないとのことでした。高層アパートからミシガン湖の砂浜まで僅か100メートルという環境にあり、大都会でありながらも自然が大事に保護されているといった感じでした。結局、妻と相談して考えた末にモンゴル在勤2年を3年に延長してもらい、シカゴへの転勤は取りやめることにしました。

 お世話になった医務官もセネガルに転勤になり、新しく女性の医務官が赴任しておりました。親子みんなが医者という家系で、清楚な方でしっかりした医務官でした。当地で治療を続けながらの勤務は無理だという本省の意向もあったのですが、医務官の好意で開業医をされている実家から点滴用の薬を送付していただき治療を続けることができました。毎日、勤務終了後に点滴を打ってもらいながら、以前と変わらない勤務をすることができたのも、医務官と同僚たちのおかげでした。また、大使からは人事課あてに直接文書を送付していただいたり、この体調にもかかわらず簡単にモンゴル在勤が延長許可されたわけではありませんでした。

 いずれにしてもモンゴルでの生活が2年から3年になったことで、気持もすーっと吹っ切れた思いでした。それまでは、このまま帰国して退職すべきか、シカゴ転勤か、それともモンゴル在勤延長というなかで気持が大きく揺れていました。一番喜んでくれたのは大使館の現地スタッフだったかも知れません。モンゴルの在勤を終えたらば、すぐに外務省を退職し妻の実家がある青森県に帰りたいと思います。その後のことは何も考えず、取りあえず治療に専念しようと思います。再就職のことは恩師や学生時代の友人たちと相談して決めようかと考えています。