秋の訪れ 
 vol.23  8月も中旬になると朝晩は急速に寒くなっていく

 秋になるとサマルと呼ばれる松の実が出まわります。日本の松の実よりも一回り大きいものですが、市内の各所でグラム売りされています。道端や人の集まる場所には、このサマルの殻がリスが食べた状態に散らかっています。歩きながら食べている人も多く、手軽なスナックといった雰囲気なのでしょうか。

モンゴルの秋は本当に短い季節です。8月も中旬を迎えると朝晩は急速に寒さを感じるようになります。ウランバートル市内では9月5日には早くも初雪が観測され、中旬には室内の暖房が入ります。室内は約25度前後になり、Tシャツ1枚でも十分です。そして、徐々に外気温との差が出てきます。暖房が入ると、室内は乾燥が進んでしまい、常に加湿器を回している状態です。草原や市内の街路樹は一様に黄色く黄葉し、アルタン・ナマル(黄金の秋)と呼ばれる景色に変わっていきます。この季節は草原でもどこでも黄色一色に染め抜かれたジュータンを敷き詰めたようになります。地方の秋は干草集めなどで忙しい季節ですが、どこの家に行っても快く歓待してくれます。ゲルの中では脂がのった羊肉を塩茹でしたものと、ギョウザ風なボーズ、最後の馬乳酒などで久し振りの再開を祝ってくれました。

10月1日になると、この日を境にして氷点下になっていきます。このときが一番肌寒い感じがします。そして、寒い冬を迎える頃になると、発電所の石炭を燃やすスモッグで市内が霞むようになります。鼻や目が痛くなるほどひどく、公害そのものです。夜になると特にひどくなり、まるで霧のロンドン(知りませんが)を歩いている感じです。こんな大自然の真ん中にもかかわらず、飛行機から見えるウランバートル市内は常にスモッグに覆われています。 92年からは本省から空気清浄機が各家庭に配置されるようになりました。が、度重なる停電のおかげで、なかなか機能を発揮しないまま壊れてしまいました。