◆ ときどき「キャビア」が市中に出回ることがあります。畑のキャビアと呼ばれる秋田名産の「とんぶり(ホウキ草の実)」ではなく、正真正銘のキャビアなのです。ロシア大使館から流出しているという話も聞きましたが、定かではありません。最近ではウランバートル市内の食品市場でも誰でも手軽に求めることが出来ますが、当時は限られた場所でしか手に入りませんでした。サンサル地区の商業センターや市東部にあるロシアショップなどでときどき出まわり、10個単位で購入していました。
それまで日本ではキャビアなんぞ高級品で食べたこともありませんが、ここでは青ラベルのベルーガと呼ばれる大粒のものが1個5ドル前後です。ANA機内報のカタログショップを見ると、帝国ホテルで同じものが1万円となっていました。モンゴルでは500円前後だというのに、この価格の違いは何だろうかと不思議です。当時は何故かキャビアというと、青ラベルのベルーガのみしか売っておらず、赤や黄ラベルは見かけることはありませんでした。 モンゴルの人たちにキャビアといっても伝わらず、魚の卵「イクラ」といったら理解してもらったのには驚きました。確かにロシア語で「イクラ」と書いてあるキャビアもあり、イクラという言葉そのものがロシアから入ってきた外来語だということをモンゴルで初めて知りました。
◆ 食品を含めた一切のものが不足していた91年当時、白いご飯にキャビアをかけて食べていました。口の中を真っ黒にしながら、少々塩味のきいたキャビアは多少難ありですがご飯にもまあまあ合いました。さしずめ「高級たらこ」といった感じでしょうか。キャビアの食べ方を知らない素人は何をしでかすか分かりません。
◆ 東京クーリエや休暇帰国のときには、お土産は必ずキャビアでした。時にはスーツケース半分ほど買って帰ったこともあります。日本滞在中はキャビアを持って馴染みの店を飲み歩くのが楽しみでした。本当は安い土産なのに、ただ物珍しさだけで酒の肴になりました。ただ、親戚にも配りましたが一様に、「こんな美味くない土産はいらない」と言われ苦笑することもありました。
◆ 但東に住んでいる現在も、モンゴルからの土産としてキャビアをいただきます。土産を何をするのか本当に困りますが、日本人でしたらキャビアが好きだよということになっており、年間を通して冷蔵庫にはキャビアが入っています。ちなみに2000年3月で、ベルーガの上物が1個4$です。モンゴルとの草の根交流が続く限り、我が家の食卓からキャビアが切れることはなさそうです。 |