モンゴルへの赴任準備 
 vol.1  ブリーフィング用のビデオテープ

 前任者からブリーフィング用のビデオテープが送られてきました。赴任地のウランバートル市内の様子や宿舎・職場の様子が撮影さており、初めて見るウランバートルの様子は古いロータリーバスが走るロシアの田舎町といった雰囲気でした。12月に撮影したらしく、市内を一望するザイサントルゴイという丘から眺めた市内は、まるで「氷の世界」です。市内からテレルジという保養地までジープの中から景色を撮影したらしく、見えるのは一面が真っ白い世界だけです。ビデオが故障したのかと思うほど延々と30分も真っ白い世界が続いていました。ジープのカセットから流れるサザンオールスターズの「BYE BYE MY LOVE」だけがバックミュージックとして流れているので、故障ではないと分かりますが、そのまま画面を見ているだけでは砂嵐ならぬ吹雪の世界です。この印象が強かったせいか、今でもモンゴルのイメージとしてこの歌が耳から離れません。それにしても、赴任用のブリーフィングのビデオがこれでは不安が増すばかりです。ビデオに映っている現地職員の表情も堅く、これから一緒に仕事をするわけですが、本当に大丈夫なのでしょうか。

 4月1日の発令を受け、家族の新しいパスポートとビザの取得を交流サービスにお願いしました。6歳になる息子も個人のパスポートを準備しましたが、署名欄のサインが二度と書けないという代物でした。幼稚園で初めて覚えた漢字の名前だけに、苦労して署名欄に自分で書いていました。赴任するまでモンゴルに関する図書を探しまわりましたが思うようなものがなく、さらに不安が増長していくばかりです。前任者とは手紙でのやり取りだけですが、多少の情報は入手できても本当に必要な情報が入って来ません。前年の紅白歌合戦にオユンナというモンゴルから来た歌手が出場していたのと、モンゴルに関する美術書が翻訳されていたのを入手した程度でした。たまたま赴任1ヶ月前にモンゴルから仕事で帰国していた先輩と会い、ある程度の最新情報を手に入れることができました。小さな子供2人を連れて行くこともあり、医療事情や教育などについて詳しく聞きましたが、せっかく聞いても想像以上に何もできないことを悟りました。